月別アーカイブ: 2008年11月

パンフレット研究:秀明大学

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秀明大学のパンフレットを読む。
埼玉県川越市や上尾市などで,全寮制による中高一貫教育を実践する秀明学園が,1988年に開学した新しい大学である。総合経営学部,英語情報マネジメント学部,そして全寮制を敷く学校教師学部の3学部からなる。09年4月より新たに観光ビジネス学部の開設が予定されている。
都心から離れた千葉県八千代市にあり,近隣の駅からもスクールバスで15分と極めて不便なところにある。しかし,この学校の大きな特徴は,一部の学部を除いて,1年次の4月から2月までの1年間の英国留学が必修で課せられていることである。料金はかなりかかるが,学生にとっては大きな経験となるであろう。また大学構内に寄宿舎があり,夜間授業も受けることができる。一昔前の大学の自治寮とは雰囲気は大きく異なるであろうが,大学で24時間過ごせるというのは魅力的である。

授業やその他就職支援などは他の郊外型大学と大差ない。総合経営学部に販売士検定やカラーコーディネータ検定の資格取得を目指した販売コミュニケーションコースが設置されていたり,英語情報マネジメント学部にIT資格取得を目的としたITキャリアコースが置かれているなど,学生にとって「分かりやすい」カリキュラム編成となっている。しかし,この大学自体,おそらくはバブル景気と団塊ジュニアの大学入学という大学経営者にとってウハウハの時期に計画されたのであろう。現在では学生募集に相当苦労しているようである。「学生募集要項」の冒頭のページに次のようなくだりが掲載されている。募集要項の冒頭に頭髪・服装の注意を入れざるを得ないほど,意識の低い学生が集まっているのであろう。

本学の学生心得には,よりよき人間形成のために次のような項目があります。

  1. 本学学生は,学問に励むことを本分とし,同時に社会的責任を自覚し,規律ある学生生活を送ること。
  2. 服装・頭髪および態度は質素端正を旨とし,本学学生としての品位を十分に保持すること。例えば,頭髪を染色あるいは脱色したり,見苦しいヘアースタイルにすること,男子学生でピアス等の装飾品を付けることなど,学生としてふさわしくない身だしなみは禁止されています。
  3. 大学構内および路上で喫煙しないこと。

ふと

さきほど楽天からの宣伝メールを見ていたら,気になる商品が見つかった。
いつでもどこでもキーボードでメモを取ることができ,すぐにパソコンに転送できるという代物だ。
キーボードの使い心地や文字の変換の精度など気になるところであるが,是非使ってみたい。手帳のメモノートでもなく,パソコンでもなく,長年こんな感じの文房具があればよいと感じていた商品である。

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『レッドクリフ』

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ララガーデン春日部で,ジョン・ウー監督,トニーレオン・金城武主演『レッドクリフ』(2008 東宝東和)を見に行った。
歴史物語というよりは爽快なアクション映画であり,三國志の知識無しに単純に楽しめたのは良かった。今回公開されたの序章のパート1であり,人間的な部分にまで踏み込むことは少なかったが,パート2に期待したい。

□ 映画『レッドクリフ』公式ホームページ □

『思川バルーン』

白鴎大学の生徒募集担当の方より貰った,楽月慎『思川バルーン』(幻戯書房 2008)を読む。
作者自身の白鴎大学での楽しい思い出と,時代の波に流される学生時代の儚い青春が,白鴎大学の脇を流れる思川周辺の光景と重なる。栃木県の小山周辺に住むごく平凡な若者たちのごく平凡な日常が描かれる。断片的な思い出を繋いだだけの起承転結のない小説であるが,観光橋や大平山の風景が目の前に浮かんできて,読者自身も登場人物たちの脇にいるような錯覚に陥る。また作者も登場人物も1994年に大学に入学しており,ちょうど私と同じ時代に学生時代を過ごしたのかと思うと,親近感を抱いた。そう思うと,この小説も夏目漱石の『三四郎』の白鴎大学バージョンと称して良いのかもしれない。

そもそも,就職活動を始める前から就職難,氷河期,低倍率,三人に一人とか騒がれているんだから,みんな一斉になにもしなければよかったんだ。そうすれば団塊世代のオヤジたちが,「やってられっか,くされ大学! 金返せ,バカ野郎。こっちは苦労して子どもを大学に行かせてんだ。だから,なにがなんでも就職させろっ,ボケ。窓,割るぞ,ゴラァッ」と,いつのまにか導入されたデスクの上のウィンドウズ95の画面をぶち壊し,会社を抜け出してヘルメットを被り,全国至るところの大学で暴れてくれたかもしれない。……かも,しれない……。

『東大合格生のノートは必ず美しい』

太田あや『東大合格生のノートは必ず美しい』(文藝春秋 2008)を読む。
勤務先の学校の黒板がホワイトボードに替わり,これまで以上に自分自身の板書の字の汚さが目につき,レイアウトだけでも見やすさに工夫を凝らし,字の汚さをカバーしたいと思い手に取ってみた。
サンプルとして掲載されているノートは,決してタイトル通りの見栄えの美しいものばかりではない。しかし,ただ板書事項をきれいに写すのではなく,余白や色ペンなどを用いて,自分なりのスタイルで自分の頭で理解しようとする工夫が見られた。授業を聞ききながら,自分の頭の中で理解の過程を文字と絵で再編成するといった感じだ。板書をする教員という立場ではまるごと参考になったわけでないが,黒板にただ生徒が書き写すための文字を書いていれば良いという時代は確実に終わりを告げつつある。その予兆だけは強く感じた。

〈東大ノート7つの法則〉

と:とにかく文頭は揃える
う:写す必要がなければコピー
だ:大胆に余白をとる
い:インデックスを活用
の:ノートは区切りが肝心
お:オリジナルのフォーマットを持つ
と:当然,丁寧に書いている