安原直樹『東京タワー』(新風舎 2005)を読む。
都内各所から見られる東京タワーの写真集である。
六本木ヒルズを背にしたり、レインボーブリッジ越しに、結婚式を見下ろすように、また都庁ビルの最上階からなど都内あちこちから東京のシンボルである東京タワーの姿を切り取る。武骨な電波塔に過ぎない東京タワーであるが、そのアングルと背景によって大きくその表情を変える。時にはエレガントに、時には燃えるような顔を我々に見せる。六本木ヒルズが無機質なままで東京を受け入れない一方で、東京タワーはすっかり戦後経済成長の情熱に染まったようである。
□ 安原直樹 公式ホームページ □