夏の7冊目?
藤和彦『石油神話:時代は天然ガスへ』(文春新書 2001)の第1章だけを読む。
最近またガソリンの値段が上がり、来月より大幅な値上げがあるというニュースに接し、手に取ってみた。しかし、新書にも関わらず、経済産業省のエネルギー白書でも読んでいるような理路整然とした文章で、読むのに疲れてしまった。
要はOPECが石油市場を支配しているとか、メジャーが石油の価格をコントロールしているとか、石油そのものがすでに枯渇の秒読みに入ったといった「石油神話」は既に崩壊していると著者は述べる。そして石油は国家の「戦略商品」から、株式市場において先物取引やリスクヘッジなどの「金融商品」になってしまっているのが現状である。著者は石油の安定供給を目指すには、国家お任せでは無く、エネルギー市場の自由化や経済のグローバル化、規制緩和の流れの中で、商品としての石油の行方を見定め、やがては天然ガスにシフトを移していく方策を模索していくべきだと説く。