山崎貴監督『ALWAYS:三丁目の夕日』(2005 東宝)を観に行った。
携帯もパソコンもテレビもなかった昭和33年(1958年)の東京を舞台に暖かい人間ドラマが繰り広げられる。東京タワーの建設と三種の神器(冷蔵庫・洗濯機・白黒テレビ)に象徴されるように、「もはや『戦後』でない」新しい時代をたくましく生き抜く団塊の世代の少年時代がディテール細かに描かれている。近所の人々が皆集まってテレビの力道山を応援したり、放課後公園に子どもたちが集まって遊んだり、高度経済成長の中で国の発展と会社の成長を重ね合わせたり、今では少し信じられないような生活がそこにはあったのだ。
主役を務める吉岡秀隆が良い味を出している。人生に行き詰まって悲嘆の涙を流してしまう情けない男を「カッコよく」演じられるのは、日本では彼しかいないだろう。
フラフープや電気冷蔵庫、東京を走るチンチン電車などが、CGによる合成技術により鮮やかに再現されている。そうした映像を観るだけでも面白い。
『ALWAYS:三丁目の夕日』
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