最近転職に伴い、新しい職場で覚えることが多く、まだ緊張も抜けないためか夜はバタンキューの状態である。このホームページの更新も滞りがちである。4月の下旬に入って、花粉症もやっと症状が収まってきて、また、できるだけ多くの良書に出会いたいものである。
横田弘幸『やさしい環境問題のはなし』(法学書院 1997)を読む。
環境問題というと、先進国の政府も途上国の政府も、また、あらゆる政党、市民団体が「守るべきものだ」という立場を崩さないので、単に法令や宣言を見ても環境問題へのスタンスの違いが見えてこない。横田氏は原発訴訟や交通騒音の訴訟の丁寧な分析から、環境保全を口にしつつも企業論理を優先させる日本の政府の立場を露呈させている。教育問題や環境問題など誰しも全面的には批判できないような問題は、逐一個別裁判の判決内容を分析していくのが正しいアプローチなのであろう。