浦出善文『英語屋さん:ソニー創業者・井深大に仕えた四年半』(集英社新書 2000)を読む。
タイトル通り井深氏の秘書兼通訳として活動した作者の思い出話となっている。『通訳・翻訳ジャーナル』という月刊誌に連載されたエッセイが元になっているためか、要は英語さえ出来れば中身は問われずとも大企業で給料がもらえるという話である。心動く場面はほとんどなかった。しかし井深氏が取り組んでいた0歳児教育に関する引用は面白かった。母子のスキンシップを大切にしたコミュニケーションという昔からある子育ての焼き直しであるが、原始歩行の訓練などは、ホモサピエンスの高度な発達の原点が猿人の二足歩行だったように、人類の発達をなぞるようで興味深い。
『英語屋さん』
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