小林雅一『グローバル・メディア産業の未来図:米マスコミの現場から』(光文社新書 2001)を読む。
大半の日本人が知っているようで実はよく知らないアメリカメディア産業の舞台裏を追った内容だ。日本では旧来通りの「新聞社ーテレビ局ー系列ネット」の大枠で地上波デジタルの大波も乗り切るようだが、アメリカでは音楽、映画、ニュースのネット配信を巡って、既存メディア産業に加えマイクロソフト社やリアルネットワーク社、ケーブルテレビ局も参入しまさにメディア戦国時代の様相を示している。違法もしくは違法すれすれのコピー技術に悩まされ、なかなかネット配信に踏み切れない音楽産業や映画産業のいらだちが描かれていた。先日アップル社から新しいオンラインミュージックストアである「iTunes Music Store」のサービスが始まった。日本でのサービスはまだ先なので大して気にも止めてなかったが、ワーナーやEMIなどの5大レーベルの楽曲を提供するということが、そこに至る過程が如何に厳しいものであるのかこの本を読んで理解できた。
『グローバル・メディア産業の未来図』
コメントを残す