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『脳男』

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子ども二人をお風呂に入れてから、ララガーデンへ出かけた。瀧本智行監督、生田斗真・松雪泰子・江口洋介・二階堂ふみ主演『脳男』(2013 東宝)を観た
生まれつき人間らしい感情を持たないが、飛び抜けて頭が良く強靭な肉体を持った男が、殺人ロボットとして育てられて次々に「悪を懲らしめるための殺人」を繰り返すというサスペンス映画である。こう書くと、何だか漫画やアニメ映画のような設定であるが、先日観た『悪の教典』のようなバイオレンス満載の大人向けの内容であった。

原作は江戸川乱歩賞を受賞した傑作のようだが、おそらく原作の雰囲気は残しつつ大幅なアレンジを加えているのであろう。ありがちな小説の映画化に見られるような不自然さはほとんど感じなかった。おそらくは脚本の段階で相当練り直したのであろう。また主演の生田斗真さんの演技が素晴らしかった。彼の演じる主人公の行動や台詞に警察や医者が疑問を感じるという点が物語のキーポイントになっているのだが、その難しい役柄を見事に演じきっていた。江口洋介さんも年齢を重ねるごとに役者としての深みが増していくようだ。

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=hbbYSDjoB3o[/youtube]

『デイ・アフター・トゥモロー』

地上波で放映された、ローランド・エメリッヒ監督『デイ・アフター・トゥモロー』(2004 米)を観た。
典型的なハリウッド発「ディザスター・パニック」映画で、突然地球の北半球全域が数週間にわたって氷河期になってしまうという設定で、その極限状況下において進行する恋愛や家族愛のドラマが中心に描かれる。冒頭のカッチョいい映像と、後半の人間ドラマという流れは、数年前に観たトムクルーズ主演の『宇宙戦争』やキアヌ・リーヴス主演の『地球が静止する日』に酷似していた。

それにしても、アメリカのハリウッド映画で、この手のディザスター映画とゾンビ映画が繰り返し制作されるのはなぜなのだろうか。旧約聖書『創世記』にある「ノアの方舟」伝説や輪廻転生を否定し、最後の審判まで永遠に眠り続けるというキリスト教の死生観の影響が強いのであろうか。

『遺体 明日への10日間』

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 上と下の二人をお風呂に入れてから、ララガーデンへ出かけた。
西田敏行主演、君塚良一脚本・監督『遺体 明日への10日間』(2013 ファントム・フィルム)を観た。
平日のレイトショーということもあってか、観客が私を含め3人しかいなかったが、こうした映画を放映してくれる映画館に感謝したい。

東日本大震災がおきてから10日間、岩手県釜石市の廃校になった学校の体育館での遺体安置所の模様が描かれる。死体が次々と運ばれてくるが、祭壇もない、死者への扱いもぞんざいで、脚色はあるものの当時の現場の混乱がリアルに伝わってくる作品であった。

一応お坊さんが来てお経を上げるが

死に対しての「物語」がない日本人にとっては、ただ救いのない残酷な現実を突きつけられる。

遺体安置所で、ご遺体が丁寧にもてなされた後のご家族の表情が何ともいえない。その笑顔に遺体安置所の働く人たちだけでなく、観客の我々も一抹の救いを感じてしまう。

余震のシーンがあると、つい観ているだけで身体が揺れてしまうような錯覚を、まだ感じる。

まだ震災があってから2年経っていない。

観ながら、「物語」化されていないだけ、スクリーンにのみ没頭することができず、自身の当時の立ち振る舞いや現在の生活について考えさせられる時間となった気がする。

津波のCGやガレキシーンが全く出てこないのもよかった。

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=nkjdyNAkhLY[/youtube]

 

『ゴースト・ライト』

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地上波で放映された、クレイグ・ローゼンバーグ脚本監督『ゴースト・ライト』(2006 独・英)を観た。
子どもを事故で亡くした人気作家が灯台のある田舎に転居するところから話は始まる。そこで灯台守りの美しい男性と出会うのだが、それは人気作家の資産を狙う罠であった。
物語の展開もスムーズで、役者の演技も素晴らしかったのだが、地上波のためにカットもあったのであろうが、なんか中途半端な感が否めない映画であった。

『JUNO』

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地上波で放映された、第80回アカデミー賞脚本賞受賞作、エレン・ペイジ主演『JUNO』(2007 米)を観た。
16歳で無責任為妊娠したジュノが、お腹が大きくなるにつれて結婚生活や大人の責任について学び成長していく映画である。
女性であれば共感するところが多いのであろうが、父親の私が観てもあまり共感したり感動したりする場面はなかった。