五木寛之『養生の実技:つよいカラダではなく』(角川Oneテーマ21 2004)を読む。
執筆当時72歳であった著者が、腰痛や老眼に悩まされながらも元気に毎日を過ごすコツを語る。ざっくりまとめると、無理をしてぽっきりと折れるのではなく、傷や痛み、時にはと共存しながら、靱やかな心身を作ることの大切さを語る。
「読書」カテゴリーアーカイブ
『アマニタ・パンセリナ』
中嶋らも『アマニタ・パンセリナ』(集英社 1995)をさらっと読む。
名前は知っていたが、初めて手に取ってみた作家である。灘高校卒業だが、アルコール中毒で薬物で逮捕の経歴もある異色の人物である。内容も薬物摂取の体験を綴ったのものであり、一般受けするものではなかった。太宰治の『人間失格』の後半部を読んでいるような感覚であった。
『ロード極めるなら業界一の自転車バカに訊け!』
菊池武洋『ロード極めるなら業界一の自転車バカに訊け!』(小学館 2013)を読む。
当時話題になっていた9000系のデュラエースや電動変速システム、ロードバイクのディスクブレーキなどのインプレが多い。初心者向けの本ではなく、すでにロードバイクを所有している中級者向けの内容となっており、オーダメイドフレームやカーボンリムなど、マニア向けの話が多い。
『時雨の記』
中里恒子『時雨の記』(文春文庫 1981)を読む。
作者の中里さんは、日本初の女性で芥川賞を受賞しており、横光利一や川端康成とも親交のあったとのことで、国語便覧で紹介されていそうな作家である。
1977年に刊行された本の文庫化である。50を過ぎた会社経営の既婚男性と夫を亡くし片田舎でひっそりと寡婦生活を続けてきた40代女性の恋愛小説である。細君とのいざこざや会社経営、病気の悪化など、およそ若者同士の溌剌とした恋愛にそぐわない話が続く。それでも銀閣慈照寺のような質素なムードの中に、信頼や思いやりといった感情を感じることができた。
登場人物の男性をして次のようなセリフがある。印象に残る一節であった。
恋は若いときの情熱だけであろうか。出會の問題であろうか。俺の心をかきたてる情熱は、にべもなく言えば、男の本能であろう。若い時は、本能のほかに、野望も、征服感も、雑多な不純物もまざっていた。尋常に暮して、妻子にも不自由させず、仕事も一應やるところまでやった男の、その上の、また別の世界で、恋しい女と、一日でも思いをとげたいという慾望は、過去のことごとくを捨てる覚悟の上の、捨身ではなかろうか。
『疋田智の自転車生活スターティングBOOK』
疋田智『疋田智の自転車生活スターティングBOOK:とりあえずワタシはこうして走り出した』(ロコモーションパブリッシング 2006)を読む。
自転車の購入からグッズの揃え方、イベントや簡単な整備など、スポーツ自転車に乗り出すまでの入門書となっている。また自転車を楽しむ中年男性のエピソードも紹介されている。GIANTが協力しているのか、やたらとGIANT推しであったが、著者の体験に基づく内容で、読んでいて飽きなかった。