読書」カテゴリーアーカイブ

『ぼくはアスペルガー症候群』

権田真吾『ぼくはアスペルガー症候群』(彩図社 2014)を読む。
タイトルに「ぼくは」とある通り、42歳の会社員の著者が自らの体験に基づき、学校生活や会社勤めの際の失敗談や注意事項などを語る。専門的意見や難しい用語などもなく、アスペルガー症候群の方に共通する特徴について理解できた。
アスペルガーの方は、一つのことに対する粘り強さや自分自身に負けまいとする克己心などのプラス面と、計画を立てることや、二つ以上のことを同時に行うこと、あいまいな指示が理解できないなどのマイナス面の両面の個性を抱えている。そのため、アスペルガーの方に対しては、大きな声や音を出さず、ビジュアルで計画や流れなどをはっきりと示し、なるべく一つのことに集中できる環境を整えることが大事である。

『上を下へのジレッタ』

手塚治虫『上を下へのジレッタ』(文春文庫 1995)を上下2巻読む。
表題作の他、青年大人向けの『刑事もどき』や『負け女郎』など数編の短編が収録されている。
1968年から1969年にかけて、実業之日本社刊行の『漫画サンデー』に連載された作品で、とある漫画家の妄想の世界(ジレッタ)を増幅器を介して他者もリアルに体験することができるという不思議な能力を巡ってドタバタ劇が展開される。覚醒剤の幻覚作用に近い

ちょうど今年は、360度3D空間でバーチャルリアリティを楽しむゲームが発売され話題をさらったこともあり、今後何かの折に話題になりそうな内容であった。

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『日本地名さんぽ』

浜田逸平『日本地名さんぽ』(朝日文庫 1997)を大凡読む。
1995年から96年にかけて「朝日小学生新聞」に連載された特集で、日本全県の地名に纏わる由来や観光地、物産などが数行でまとめられている。
毎日少しずつ読むのならいいのだが、400ページ近い厚手の文庫で、ひたすら地名の紹介が続く辞書のような体裁で、さすがに途中で飽きてしまった。

『偏差値・知名度ではわからない 就職に強い大学・学部』

海老原嗣生『偏差値・知名度ではわからない 就職に強い大学・学部』(朝日新書 2012)を読む。
具体的に大学名をあげ、「就職に強い大学だと銘打てるのは、関関同立・6大学GMARCHあたりまで」「下位の大学ほど、就職率は「金融系」でカバー」「文学部は人気企業への就職に不利」「大東亜帝国では就職を希望しない学生を除いて就職率を計算しているが、そうした『操作可能な学生』の割合が4割を超えている」など、インパクトのある話が続く。
最後に、筆者は次のように述べる。口で言うのは簡単だが。。。

(薄っぺらな就職対策に力を入れる大学側の動きに対して)企業が望むのは、的確に相手の質問意図をとらえ、それに対して、説得力の高い応答を、素早く、しかも簡潔に行えることである。そういう力は、「面接対策」ではなく、学問・学究活動をしながら十分磨ける。この部分は、大学教育と融合が可能なはずだ。こうした、本質的な考える力の養成ならば、スキル教育を重視する専門学校とも一線を画すことができるだろう。
 つまり、考える力を鍛えるようなシラバスを作り、そのシラバスの題材として、経済や法律や文学などを利用すれば、大学教育と社会人力養成は相反さない。そうすれば、学生も学業に力を入れる。
 逆に、現状のような「就職活動を後ろ倒しにする」などという本質的ではない対症療法を繰り返していても、決して学生は学業に力を注ぎはしないだろう。

『3.11後、日本人はどう生きるべきか?』

菅下清廣『3.11後、日本人はどう生きるべきか?』(フォレスト出版 2011)を読む。
国際金融コンサルタント・経済評論家の著者と、刊行当時に政治的・商業的な野望を持っていた人物との対談集である。当時民主党議員だった小沢鋭仁氏、株式会社イミオを立ち上げた倉林啓士郎氏、インターネット広告代理店オプトのCEO鉢嶺登氏、自民党議員林芳正氏、サイバードホールディングスCEO掘主知ロバート氏、ワークスアプリケーションズCEO牧野正幸氏、みんなの党代表渡辺喜美氏との7名と、当時行き詰まっていた民主党政権やリーマンショク後のデフレ不況、ネットビジネスなどについて奔放に語っている。
当時民主党議員だった小沢鋭仁氏の発言が興味深かった。2%ほどのインフレターゲット導入と、その具体策としての金融政策・マクロ経済政策、また大胆な金融緩和や日銀法改正など、徹底したデフレ対策を主張している。まんまアベノミクスである。民主党政権がもう少し続いていれば、経済政策も変わっていたのだろうか。