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『塔』

かなり長い間本棚に眠っていた、福永武彦『塔』(講談社文庫 1973)を1ページだけ読む。
全く頭に入ってこなかった。解説も全く良く分からない。

『僕僕先生』

第18回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作、二木英之『僕僕先生』(新潮社 2006)を3分の1ほど読む。
唐の玄宗皇帝・李隆基の時代を舞台にした仙人の物語である。老荘思想や西域事情、則天武后の話など、史実に基づくエピソードは興味深かったが、肝心の仙人の物語に入り込めなかった。
仕事が始まってしまい、ファンタジー世界に没入できるほどの余裕が無くなってしまったのが残念だ。

『プラナリア』

第124回直木賞受賞作、山本文緒『プラナリア』(文藝春秋 2000)を読む。
表題作の他、1999年から2000年にかけて雑誌に掲載された『ネイキッド』『どこかではないここ』『囚われ人のジレンマ』『あいあるあした』の4編が収められている。
仕事に追われている普段なら、「女性特有の身体感覚に根ざした日常生活への違和感など分かるか!」と受け入れを拒否しそうだが、精神的に余裕があるためか、素直に作品世界に世界に没入することができた。
一つひとつの作品はそれぞれ別個の物語なのだが、群像劇のように5編の作品が重なりあっているようにも読める。ちょうど山手線の駅のようにそれぞれ雰囲気の異なる作品が繋がっているとでも言えば良いだろうか。

『皇女の霊柩』

内田康夫『皇女の霊柩』(新潮社 1997)を読む。
1958年から60年にかけて行われた増上寺の徳川将軍家墓地の改葬の際に、「悲劇の皇女」和宮の棺から烏帽子に直垂姿をした若い男性の写真乾板が副葬品として見つかったが、その後の保存処理が悪かったため、翌日にはただのガラス板になってしまったという「事件」に端を発する連続殺人事件である。
人間関係が複雑で、最後は名探偵浅見光彦の天才的な推理に煙に巻かれた感じで終わってしまうが、和宮が降嫁の際に立ち寄った妻籠宿や馬籠宿、物語の舞台となった岐阜県八百津町や木地師の里など、今年こそ自転車で回ってみたいと旅情気分を味わった。
読み終わったあと、眠れなかったのでウィキペディアで八百津町を検索してみた。そこからスマホで1時間以上リンクを辿りに辿って、最後は千代田区立番町小学校のホームページまで行き着いた。

『玉工乙女』

勝山海百合『玉工乙女』(早川書房 2010)を読む。
中国・清の時代を舞台に、印鑑に施す彫鈕をテーマとしたファンタジー小説である。
康熙帝時代の彫鈕の大家とも言われる周林尚均が登場したり、阿片や纏足などの史実も踏まえられ、歴史小説のような趣の作品であった。
当時の世界観の描写に一目置くものがあったのだが、最後は紙幅の都合なのか、突然打ち切りになったような終わり方になったのが残念であった。