村田喜代子『12のトイレ』(新潮社,1995)をパラパラと読む。
作者は1945年に福岡県北九州市八幡で生まれ、1987年に芥川賞を受賞している。
本書はトイレをモチーフにして、村田さん自身の小中学校時代から成人までの思い出がエッセーとしてまとめられている。正直面白くなかったが、男性よりも女性の方がトイレに対する思い強いことが分かった。女性はトイレでの友人との交流やトイレに籠ることの安心感、逆に、トイレに入っている最中も見られるかもしれないという不安感などを感じやすい。また、大人への階段である生理の際もトイレが舞台となる。
投稿者「heavysnow」のアーカイブ
「ニューカレドニア 独立巡り暴動」
本日の東京新聞朝刊に、南太平洋のフランス領ニューカレドニアの暴動に関する記事が掲載されていた。
ニューカレドニアといってもピンと来ない人が大半であろう。オーストラリアの西部の太平洋に位置する、観光地として有名なフランスの海外領土である。1800年代の話になるが、イギリスとフランスは太平洋やインド洋の島々をつぎつぎと支配していった歴史がある。そのため、フランス排他的経済水域(EEZ)はアメリカに次いで、世界第2位となっている。EEZ内の海産資源や海底資源を維持するために、フランスは飴と鞭を使い分けながら海外領土の自治や独立を抑えてきた。また、太平洋やインド洋におけるプレゼンスを示すために、フランス軍の基地も置かれている。
アフリカでも旧フランスの植民地であったチャドやニジェール、コートジボワールでもイスラム教徒とフランス寄りの政府との間で紛争が続いている。植民地支配という負の歴史にフランス政府がどのように向き合っていくのか、歴史認識が問われている。
『地球科学のすすめ』
牛来正夫編『地球科学のすすめ』(筑摩書房,1970)を手に取ってみた。
編者の牛来(ごらい)さんは、東京高師を卒業され、執筆当時東京教育大学で教授を務めていた。Wikipediaによると、東京教育大学の「筑波移転」に反対の立場から、定年を待たず同大学を退官されたとのこと。
疲れのためか、中身は全く頭に入ってこなかった。
まえがきの冒頭に次の一節がある。時代を感じる一文である。
約一年前、筑摩書房編集部の方が、この本の話をもってこられたところ、私の勤め先の大学は、二年越しの「紛争」の最中でした。
「北海道 再エネ発電量42%」
本日の東京新聞夕刊に、北海道で太陽光や風力、バイオマスなどの再生エネルギーの発電量の割合が4割を超えたとの記事が掲載されていた。
特に興味を持ったのが、バイオガスの活用である。木片チップスやサトウキビ、とうもろこしなどのバイオエタノールは教科書にも出てくるが、家畜の糞尿を発酵させたバイオガスはあまり知られていない。北海道は酪農や畜産農家が多いので、そうした糞尿を活用できれば、農家にとっても処理費用が削減できるのでメリットが大きい。
家庭の生ごみを発酵させて堆肥を作るコンポストが販売されてはいるが、多くの家庭で堆肥を活用する機会が少ないので、あまり普及はしていない。家庭の生ごみからバイオガスでを生成し、自家発電することができる製品が開発されれば、私たちの意識ももっと変わっていくであろう。
『王ジャパン、野球世界一への道』
石川保昌『王ジャパン、野球世界一への道』(河出書房新社,2007)を手に取ってみた。
著者もあとがきの中で述べているように、著者自身の個人的な理由もあり、王貞治率いる日本代表が世界一となった2006年のWBCから丸1年経ってから刊行された本である。実際にイチローや松坂が活躍したWBCを観戦した人が、当時の興奮を振り返るといった内容となっており、当該以外の者が読んでも面白いものではなかった。





