投稿者「heavysnow」のアーカイブ

「トルコへのアフガン難民増」

本日の東京新聞朝刊に、アフガニスタンの難民がトルコやパキスタンの砂漠地帯を抜けてトルコへと流れ着いているとの報道があった。すでにトルコには30万人ものアフガン難民を抱えている中で、トルコの東部の国境近くの町に数多くの難民が押し寄せているとのことである。

地理の労働力の移動という視点で考えていくと、就労や生活の場を求めて一人当たりのGNIが高い国へと難民は移動していく。トルコは人口8400万人おり、一人当たりのGDPは8600ドルとなっている。中央アジア・西アジアで一番の経済大国である。ちなみにイランは同4200ドル、パキスタンの一人当たりGNIは約1500ドルとなっている。アフガニスタン難民がイランやパキスタンではなく、トルコを目指すのも頷ける。

GNIとGDPは厳密に言うと計算方法が異なるのだが、地理では一緒くたに考えてよい。

「ミャンマー国軍支援強化 ロシアが武器供与」

本日の東京新聞に、ミャンマーの軍事政権に対して、中国だけでなくロシアも支援を強化しているとの記事が掲載されていた。ミャンマーは、「一帯一路経済圏構想」を掲げる中国の貿易権拡張政策の重要地域となっている。中国は人口爆発が進むアフリカへの進出を強めている。そのため、イギリスの影響が強いマラッカ海峡を経ずに、インド洋へ直接進出できるミャンマーを支配下に治めようと躍起になっている。

一方、ロシアにとって、ミャンマーは地政学的にさほど重要な国ではない。それでも武器供与を行うということは、記事にもある通り、中国やパキスタンとの軍事同盟の絆の補強を狙ったものであると解釈できる。コロナで世界があたふたしている中で、インド洋周辺を巡って、英米印豪vs中露パの対立がいよいよきな臭くなっている。

『生きた地球をめぐる』

土屋愛寿『生きた地球をめぐる』(岩波ジュニア新書 2009)を読む。
日本地学教育学会の一員として、1000を超える世界の都市を訪れた著者が、南極点や北極点を含む世界中の地学に関する名所を紹介する。ギアナ高地に始まり、アフリカ大地溝帯、アイスランド、イエローストーンなどの内的営力によって生じた奇観や、ナイアガラ滝やソグネ・フィヨルド、秋芳洞、アタカマ砂漠などの外的営力によって生まれた景観などを、訪れた際のちょっとした思い出とともに語る。200を超える世界自然遺産の全て紹介し尽くしたのかとボリュームである。

「アフガン難民 トルコに続々」

本日の東新聞朝刊より。
イスラム主義組織タリバンが首都を制圧し、旧政府組織との内戦や自爆テロ、米国の報復攻撃などが続くアフガニスタンの難民が、トルコに密入国しているとの内容である。トルコは西アジアのイスラム国の中核を担っており治安も良い。エルドアン大統領就任後、保守的政策が進んではいるが、宗教的にも文化的にも寛容な国である。

また、地図を確認すれば分かるが、EUに加盟しているギリシャと国境を接している。授業の中でも触れたが、EU域内ではシェンゲン協定により国境の管理が撤廃され、パスポートの提示も不要となっている。そのため、数年前シリア内戦が激しかった頃は、トルコを経由してギリシアに密入国するシリア難民が100万人を超える事態となった。

また、トルコとギリシアの間のエーゲ海はアフリカプレートユーラシアプレートがぶつかる「狭まる境界」にある。そのため、エーゲ海には2500もの火山島が密集する多島海となっている。エーゲ海の島を繋いで海からギリシアに密入国する難民も後を絶たない。ちなみにアルプス山脈やイランのザクロス山脈、クロアチアやボスニア・ヘルツェゴヴィナに跨るディナルアルプスなどはプレート同士がぶつかることによって隆起した褶曲山脈である。

アフガン難民もトルコから陸路もしくは海路を経由してEUを目指しており、トルコとEUの関係もまたこじれてきそうだ。

「米、ベトナムにコロナ対策強化」

本日の東京新聞朝刊より。
国際面の小さな記事だが、南シナ海の南沙諸島の領有をめぐって米中の緊張が高まっているという背景を押さえると、バイデン政権の狡猾なコロナワクチン外交が見えてくる。米国は中ロと地政学的に対立しているインドや台湾、インドネシアなどにワクチン供与を重点化している。もちろんワクチンの供給自体を非難する理由は全くないが、中ロの進出の封じ込めの材料として使われるなら問題だ。