小長谷正明『脳のはたらきがわかる本』(岩波ジュニア新書,2006)をパラパラと読む。
専門用語の羅列が少なく、中高生にも読みやすい内容であった。ペンフィールドのホムンクルスも紹介され、脳の働きについて記憶や思考、行動、感情、睡眠などの観点から例を交えながら説明している。
じつは脳にも男女差があります。サイズこそ男性のほうが大きいのですが、女性のほうが相対的に前頭葉が広く、かつ神経細胞の密度が高いことが最近わかってきました。(中略)女性のほうが知性や考える場である前頭葉が広いというのは、男性が論理的で女性が感情的といわれていることとはニュアンスが異なります。でも、こまかい記憶をつなぎあわせてつぎつぎと論理を組み立てていき、頭と口の早い回転は前頭葉の機能がすぐれている証拠かもしれません。男性のほうは、ちみつな論理展開ができない結果、枝葉末節にとらわれないので、ものごとのアウトラインを把握しやすいのかもしれません。


