『脳のはたらきがわかる本』

小長谷正明『脳のはたらきがわかる本』(岩波ジュニア新書,2006)をパラパラと読む。
専門用語の羅列が少なく、中高生にも読みやすい内容であった。ペンフィールドのホムンクルスも紹介され、脳の働きについて記憶や思考、行動、感情、睡眠などの観点から例を交えながら説明している。

じつは脳にも男女差があります。サイズこそ男性のほうが大きいのですが、女性のほうが相対的に前頭葉が広く、かつ神経細胞の密度が高いことが最近わかってきました。(中略)女性のほうが知性や考える場である前頭葉が広いというのは、男性が論理的で女性が感情的といわれていることとはニュアンスが異なります。でも、こまかい記憶をつなぎあわせてつぎつぎと論理を組み立てていき、頭と口の早い回転は前頭葉の機能がすぐれている証拠かもしれません。男性のほうは、ちみつな論理展開ができない結果、枝葉末節にとらわれないので、ものごとのアウトラインを把握しやすいのかもしれません。

『ヒトのからだ事典』

石浦章一『ヒトのからだ事典』(岩波ジュニア新書,1992)をパラパラと読む。
先日読んだ丸山工作著『筋肉はなぜ動く』よりは、まだ中高生に読ませるような工夫があったが、生化学という分野はどうも苦手である。私たち人間の体内の仕組みなのに、分子レベルの運搬や受け渡し、消化など、極めて無機的な印象が強く残る。十二指腸がちょうど指12本を並べた長さに由来するという説明しか印象に残らなかった。

『チョイス@病気になったとき』

本日のNHK Eテレ『チョイス@病気になったとき』で、「双極性障害(双極症)」が取り上げられた。

双極性障害は、かつては「そううつ(躁鬱)病」と呼ばれていたため、うつ病に近いパターンの神経性の病気という理解しかなかった。しかし、うつ病と双極性障害は似ているようで全く別の病気である。双極性障害とは、精神病のような心の病気と捉えられやすいが、体質による脳の神経細胞の興奮のしやすさの変異が原因の精神疾患である。100人〜500人に1人の割合で発症し、長期の入院を強いられ、再発しやすい病気ともなっている。

うつ病はストレスによる神経細胞のつながりが損傷して起こる病気である。そのため治療薬である抗うつ薬はそうした神経のダメージを回復し、シナプスでの情報伝達を円滑にする働きの薬である。しかし、双極性障害の患者の方がそうした抗うつ薬を服用すると却って症状が悪化してしまうことがある。

双極性障害にははっきりとした躁状態とうつ状態が現れる1型と、社会生活に問題のないレベルの軽そう状態とうつ状態が現れる2型に分類される。1型は周囲からも比較的判別しやすいが、2型は軽そう状態判断が難しく、うつ病と混同されがちである。そのため双極性障害と診断されるのに平均7年かかってしまう。

双極性障害は薬物療法が基本であり、まずは病気を受け入れ、生活リズムを整え、服薬を続けていくことが大事だと伝えている。

『外国語としての日本語』

佐々木瑞枝『外国語としての日本語:その教え方・学び方』(講談社現代新書,1994)をパラパラと読む。
著者はカリフォルニアにある州立大学を卒業され、日本語学・日本語教育を専攻され、実際に横浜国立大学で留学生に日本語を教えている教授である。そのため、日本語の文法だけでなく、留学生が勘違いしやすい言い回しや日本語の発音で躓きやすい語の

〔問題〕「次の『しています」はそれぞれどんな風に意味の違いがあるでしょう」

  1. 今、彼に手紙を書いています。
  2. ドアが開いていますよ。閉めていただけませんか。
  3. この道は、くねくねと曲がっています。
  4. ジムは去年、富士山に登っています。
  5. 家には毎日大工さんが来ています。