宮部みゆき『火車』(新潮文庫 1998)を読む。
1993年に第6回山本周五郎賞に輝いた作品である。10年経った今でも、カード社会の闇に斬り込んでいく展開は今もって色褪せていない。高度消費社会の象徴のような無機質なクレジットカードの世界であっても、その背後には、どろどろした人間の情慾がうごめいている。借金苦に全く別人になりすました渦中の登場人物が全く登場しないまま、その人物の過去半生や心中に迫っていく内容は大変読みごたえがあった。
『火車』
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宮部みゆき『火車』(新潮文庫 1998)を読む。
1993年に第6回山本周五郎賞に輝いた作品である。10年経った今でも、カード社会の闇に斬り込んでいく展開は今もって色褪せていない。高度消費社会の象徴のような無機質なクレジットカードの世界であっても、その背後には、どろどろした人間の情慾がうごめいている。借金苦に全く別人になりすました渦中の登場人物が全く登場しないまま、その人物の過去半生や心中に迫っていく内容は大変読みごたえがあった。