『僕のピース・メッセージ』

山本コウタロー『僕のピース・メッセージ:HIROSHIMA’87-97への道のり』(岩波ジュニア新書1990)を読む。
競馬とフォークが掛け合わされた漫談調の「走れコータロー」の制作秘話から、70年代以降の学生運動の終息、そして戦争反対のメッセージを盛り込んだ広島野外コンサート-HIROSHIMA’87-97-実施までの経過を、その時その時の心情を交えながら分かりやすく紹介している。筆者自身、「戦争になってから平和を語ってももう遅いし、戦争になりそうな状態で平和を語ってももう遅い。平和というのは、もしかしてこれが戦争になるかな、これが危険になるかなという段階でたえずチェックし、危機を取り除いていく作業を繰り返していく。そうしてようやく平和は維持できるのだ」と、出来ることから身近なところからの一つの運動提起として、音楽活動を通した平和維持活動を訴えている。
ネットを調べてみたが、この”HIROSHIMA’87-97″コンサートは当初11年越しの計画であったが、どうやら89年で活動を終えたようだ。山本氏自身現在は白鴎大学の教授として地球環境問題論を教えている。大学の学生に当てて次のようなメッセージを発している。

まずは関心をもつこと。 無関心のまま、 ある日突然パニックに巻き込まれたのではもう遅い。 関心を持ち、 また疑問を持つことが大切だ。 そして、 自分の感じたことを表現していこう。 頭の中の言葉を第三者にわかるように発信してみよう。 誤りや否定されること、 失敗などを恐れてはならない。 地球環境問題は、 私たち年長者よりも、 君たち青年の将来にずっと重くのしかかる。 だからこそ、 知恵を集め、 解決のための方策のすべてを論じていきたいのだ。

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