湯谷昇羊『サムライカード、世界へ』(文春新書 2002)を読む。
日本生まれの純国産クレジットカードであるJCBのここ20年近くの独自海外路線を追ったルポルタージュである。ちょうど高度成長期における日本のメーカーの海外進出奮闘記を思わせ、NHKの『プロジェクトX』を観ているような展開である。VISAやマスター、アメックスといったアメリカ系の大手カード会社に対して、日本人のサービス精神を生かしたきめ細かいサービスで対抗しようとするJCBの路線は、アジアを中心に着実に受け入れられ、今や世界の4大カード会社に成長しつつある。現在JCBは国内よりも中国市場にシフトを移しつつあるが、中国での顧客獲得のいかんによっては世界一のカード会社をうかがえそうな勢いである。
『サムライカード、世界へ』
コメントを残す