加藤由子『雨の日のネコはとことん眠い:キャットおもしろ博物学』(PHP研究所 1990)を読む。
いくら人間の家畜としての歴史が長いとは言え、ネコには元来の肉食動物として本能が備わっており、爪研ぎや排泄などは、ネコ本来の獲物を捕まえたり自らのテリトリーを示す行為の名残である。しかし、私たち人間は人間の勝手な想像力によって、ネコに対して「きれい好き」とか「執念深い」「きまぐれ」といったレッテルを貼ってしまう。揚げ句の果てには「猫に鰹節(油断出来ない)」や「猫を被る(うわべをおとなしく見せかける)」「猫ひろし(意味不明なギャグを連発する?)」などの猫を揶揄した言葉まで作っている。
しかし、猫の習性を少しでも理解すればいたずらにネコを誤解することもなくなるであろう。
我が家のネコはすっかり本能を失った単なるダメネコになりつつある。床にぐたーっと横になって、さながら「笑っていいともー!」と人間のご機嫌を伺っている。