朝鮮学校への高校授業料無償化

12月29日付けの東京新聞朝刊に、下村博文文科大臣の朝鮮学校への高校授業料無償化についてのコメントが掲載されていた。
記事によると、拉致問題や朝鮮学校の人事や財政に朝鮮総連の影響が強いことを懸念し、会見下村文科相は、「子どもには罪はなく民族差別をするわけではないが、拉致問題や国交回復という一定の問題が解決された後に考えるべき問題」と述べたようだ。

朝鮮学校に対する高校授業料無償化に関する一連の流れを見て思うのだが、担当の知事や大臣は朝鮮学校の現状を分かっているのであろうか。もちろん、「教育の自立」という観点から、朝鮮総連の場当たり的な影響は排除されねばならない。
しかし、下村文科相の言う「国交回復が解決された後に考えるべき問題」というのは、日本政府の施策のもとに行われた侵略戦争や強制連行の歴史を踏まえた発言ではない。むしろ日本に残らざるを得なかった朝鮮国籍の方々のケアを政府の責任で十全に行った上での国交回復ではなかろうか。

いずれにせよ朝鮮学校の実態が意図的に隠蔽されたまま、数年前のチマチョゴリを着た生徒に対する暴行といった事件が起こらないことを願うばかりである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください