本日の東京新聞朝刊記事より。
「混迷」という熟語がこれほどしっくりくる国も珍しいであろう。自然災害に加え、政府機能の停止、経済の低迷、社会不安の増大と、問題点を挙げていくと切りがない。同じイスパニョーラ島のドミニカ共和国と比べると雲泥の差である。ドミニカ共和国はスペイン語圏であり、中南米諸国との関係も良好だが、ハイチは中米に珍しくフランス語を公用語の一つとしており、言葉の壁も存在する。また、ハイチは1804年に中南米で初めて独立した黒人国家であり、宗主国のフランスとの関係がしっくり行っていない。隣国のドミニカ共和国はハイチから独立した国であり、独立後もハイチから干渉が続いたため、二国間の関係は悪い。また、近隣のアメリカとの関係も薄く、積極的にハイチに支援を申し出る国がないのが現状である。