本日の東京新聞朝刊に、中国やロシアがアフガニスタンを制したタリバンとの関係強化を表立って発表したとの記事が掲載されていた。
記事にある上海気条約機構とは、1996年に中国・ロシア・カザフスタン・キルギス・タジキスタンの5カ国でスタートした上海ファイブを前身とし、中ロと中央アジア諸国の旧共産圏の国々の経済や軍事の協力体制である。現在はウズベキスタン・インド・パキスタン・イランの4カ国を加え、ユーラシア大陸の3分の2、人口規模で30億人を超える世界最大の地域協力組織である。9カ国中4カ国が核保有国で、イランも核装備に前向きであり、世界最大の軍事協力組織でもある。
中央アジアは、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、アフガニスタンにトルクメニスタンを加えた6カ国である。このうち、トルクメニスタンは欧州のスイスのように、国連から「永世中立国」としての地位が認定され、他国と同盟関係を結んでいない。それ以外の5か国が中国やロシアの後ろ盾のもと、軍事協力を構築するというのは、政府側にとって美味しい話である。
アフガニスタンが国境を接しているイラン、パキスタンと経済協力関係を構築するという判断は、果たして良い結果を生むのであろうか。