福田健『人は「話し方」で9割変わる』(株式会社経済界 2006)を読む。
挨拶のタイミングから始まり、「アイ・コンタクト」の方法や、初対面の人との話のきっかけ、相槌や質問の入れ方、話の返し方、ユーモア会話術など、およそ会話にまつわる全ての要素についてあれこれ述べられている。
有り体にいえば、駅なかの本屋で平積みされているようなビジネスマナーのハウツー本である。しかし、著者の失敗談など具体例も豊富で、この手の本に生じがちな拒否感もなくすんなりと読むことができた。
また、読み進めながら話しかけて気まずい雰囲気が漂ったり、会話のキャチボールが続かずに話しっぱなし聞きっぱなしになったりした自分自身の体験が思い出された。会話というものには、平常心の余裕を持ち、一歩引いた状態で相手のどんな雰囲気や話の内容にも応対していく間合いが大切である。まさに武道でいう所の「後の先」が必要であると感じた。