本日の東京新聞朝刊に、今国会での「外国人学校支援法」の法案提出が大詰めを迎えているという記事が載っていた。
この法案は、公的助成を可能にするため、ブラジル人学校など無認可の外国人学校を各種学校に設定するという内容だ。自民・公明両党の議員連盟が中心となってまとめられており、当事者たちの間でも「日本で外国人学校を正規の学校として位置付けよう」という動きも活発化してきている。
法案では、各種学校の認可基準を大幅に緩和し、外国人学校を各種学校として認可し、公的助成を可能とするものである。外国人労働者の子どもたちが増えてきている日本の現状を鑑みるに遅すぎるぐらいの対応である。しかし、公金や公財産は「公の支配」にない事業に支出できないと定めた憲法89条に抵触するおそれがあり、法案成立は一筋縄ではいかない。
国会の議員連盟とは別に、当事者の学校関係者や保護者らが考えた新たな外国人学校支援制度の概要が都内で開かれたシンポジウムで発表された。その内容は、教育基本法に外国籍の子どもの教育を受ける権利と、その権利を国や自治体が保障する義務を明記。さらに、①学校教育法上に「外国人学校」のカテゴリーを加えて正規の学校扱いにする②「外国人学校振興法」を制定し、外国人学校の認可校には助成金や受験資格、寄付金税制などで日本の学校と同じ扱いにするとしている。
与党議員は学校教育法一条校として認可はせず、あくまで各種学校として認可し助成を試みるものである。これでも現状よりは大きな前進である。しかし、認可されても助成金は公立校の十分の一程度にしかならない。しかし、シンポジウムでの「外国人学校」の整備では、日本人のための学校とは別の学校の設立を目指すというものであり、新たな排除構造が生まれる可能性が危惧される。
与党の議員連盟の法案に寄付金税制や助成金を大幅に上乗せした形で修正を迫る一方で、公立学校での外国人の制度的、経済的な大胆な支援策が求められる。