『化石探検』

夏休みの11冊目

福田芳生『化石探検:Part.1ストロマトライトから穿孔貝まで』(同文書院,1989)をパラパラと読む。
2分冊のうちの1分冊目で、先カンブリア時代から中世代までの海の化石が取り上げられている。先カンブリア時代を代表するストロマトライト、古生代を代表する三葉虫、中世代を代表するアンモナイトの他、写真とイラスト入りで丁寧に紹介されている。3つの化石とも地球上の海を埋め尽くしたため、示準化石と呼ばれている。ストロマトライトは酸素発生型光合成を行う藍藻類(シアノバクテリア)の棲家となった植物である。30億年前にこのストロマトライトが大繁殖して、大気中に酸素が放出されたのである。やがてオゾン層が形成されて、有害な紫外線が遮られ、地球上にいろいろな生物が住めるようになったのである。ストロマトライトの円柱は、生命活動を示すマイルストーンと言ってもよいものである。