『末期ガンになったIT社長からの手紙』

藤田憲一『末期ガンになったIT社長からの手紙』(幻冬舎 2006)をパラパラと読む。
タイトルそのままで、末期の胃がんが再発し、余命3ヶ月と宣告された著者が、自身の仕事や結婚の問題を赤裸々に語る。「夜明け前が一番暗い」の言葉を信じて、入院中も仕事をこなし、5年ぶりの休みを貰ったと趣味に満喫する姿は、同じ病に苦しむ患者に希望を与えるものであろう。
2006年6月に刊行された本だが、同年10月に永眠されている。展開を無視して書き連ねた内容でかなり読みにくいが、その分だけ著者の切迫した状況が伝わってくる。

抗ガン剤は基本的にガンを殺す薬ではありません。ガンと通常の細胞を薬は判別できないからです。ガンは通常の細胞より早く分裂して増殖します。ですので、抗ガン剤は分裂の早い細胞を殺すのです。したがって、抗ガン剤はガン細胞以外の分裂の早い白血球や毛髪などの正常な細胞も殺します。白血球を殺すことにより免疫力を下げることになり、感染症などで死んだりという副作用が起きます。