『クルマ・20世紀のトップランナー』

星野芳郎『クルマ・20世紀のトップランナー』(岩波ジュニア新書 1987)をパラパラと読む。
1894年にパリ郊外で行われた125kmを走る自動車レースには、ガソリン自動車が14台、蒸気自動車が6台、電気自動車が4台出場している。当時から鉛蓄電池を搭載した電気自動車がかなり走っていたという事実に驚いた。

また、イギリスの競馬には国王陛下、女王陛下が参列する。それは中世では馬が戦争の勝敗を決めたことに由来する。日本だと競馬はしばしば品位の低いもののように受け取られるが、ヨーロッパではきわめて品位の高いものとなっている。

非常に急なカーブのことをヘアピンカーブというが、それは女性が髪に挿すピンの頭のところの曲がり具合が非常にきついことに由来する。

最後の章で、著者は車がリビングルームであり、個人がくつろぐ空間となっていることを認めつつも、車が居住地内部に入ってこられないようにした上で、徒歩圏内で日常の用が済むようなコンパクトシティのあり方も提案している。