藤原智美『検索バカ』(朝日新書 2008)を読む。
芥川賞作家の著者が、テレビやラジオで語ってきたことが一冊の本としてまとめられている。著者自身がテーマについてまとめているので引用してみたい。
このところずっと、違和感というか、不快感を覚えていた言葉があります。
「検索上手」「情報整理の達人」「空気を読め」というような言葉を、いたるところで目にします。どうもイヤだな、これは違うぞ、という思いは、しだいに形になり、やがてそれは私たち現代人の「自立して考える」ことの衰え、という現象へといきつきました。
検索と情報処理にたけて、クウキ読みさえできれば、この世の中、うまく渡っていけるかのような昨今ですが、はたしてそうでしょうか? というのがこの本のテーマになっています。
ずばり、著者自身の言葉でまとめられたテーマの内容となっている。見事である。