村上龍『五分後の世界』(幻冬社文庫 1997)を読む。
1994年に刊行された本の文庫化である。ずいぶん長く本棚に眠っていた本である。フェリーの中で読もうとカバンに詰め込んだ一冊である。1945年で戦争が終結していなかったパラレルワールドに迷い込んでしまった男の物語である。戦闘シーンは極めてリアルに描出されるが、全体像は何も分からないまま勢いで話が展開していく。
Amazonのレビューに「ルールは1つ。一気読み! とにかく一気読み!」とあったが、的を射ているコメントである。一気読みでしか、作品を味わうことはできないし、読み通すことすらできないであろう。