本日の東京新聞朝刊に、哲学者内山節氏のコラムが掲載されていた。
ごくごく当たり前のことしか書いてないのだが、日米軍事演習やイージス艦による迎撃システムなどの話ばかりを耳にする現在、新鮮な話のように感じる。それほど日本の政治や外交が流されているという証拠であろう。
私は北朝鮮の一番の対応策は、無視することだと思っている。軍事的威嚇に対して、軍事的威嚇をもって対応すれば、戦争の危機を高めるだけでなく、相手の軍事力に一定の効果があることを、認めることになってしまう。そんなことより、原爆やミサイルを装備しても、何の成果もないということを教える努力の方が重要なのである。
それは、長期にわたる経済制裁などをつづけながら、無視された国として扱うということである。軍事力を強化してもの成果も上がらないという現実をつくりだす方が、北朝鮮の体制の危機を高めることになるだろう。
もちろん日本には拉致問題を抱えてはいるが、いまの北朝鮮にそれを解決する意志がない以上、そういうやり方が自分たちを孤立させ、危機に追い込んでいくのだということを、徹底して知らせるほかない。
軍事力に対して軍事力で対決したりもしない。さりとて実効性のある対話もしない。もちろんつねに情報を収集し、万が一にも攻撃されたときの対応方法をもつことは必要だろうが、徹底して無視するのが一番いい。