平山一城『大学の淘汰が始まった!』(宝島新書 2013)を読む。
産経新聞編集委員を務める著者が、産経新聞のウェブサイト「イザ!」に掲載されたブログ記事がまとめられたものである。
旧来の教養学部の解体と「リベラルアーツ」の隆盛、「国際」と名がつく学部の中身の検証、学生や保護者、受験生、就職先などの「ステークスホルダー」の需要を満たすの取り組み、政府や文科省の高等教育政策など、2013年上半期当時の大学にまつわる一話完結の四方山話が続く。読みやすい内容だったので、1時間半ほどで一気に読んだ。
著者自身は「哲学」の意義や「古典」の力を重んじているのだが、そうした大学教育の土台が議論されないままに進んでいく大学経営の流れに一石を投じている。