「伝わらぬものなら映画にしてでも」

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本日の東京新聞朝刊に、脱原発訴訟の弁護士を務めている河合弘之氏のインタビュー記事が掲載されていた。
河合氏は、脱原発運動をしていた核化学者の高木仁三郎氏に「弟子入り」し、20年前から電力会社相手に原発の危険性を訴える訴訟を続けている。負け続けながらも諦めずにチャレンジし続ける河合氏の次のコメントが印象に残った。

 (九州電力川内原発の仮処分が認められず、ことし8月に再稼動したことについて)
川内原発の仮処分が認められなかったことは、冷静に受け止めています。目の前のことに一喜一憂し、ここで負けたらすべて終わりではない。一つでも多くの原発の再稼動を阻止し、時期を遅らせ、基数を減らす。そうして再稼動を抑え込んでいくんです。
手段は訴訟や仮処分だけではない。脱原発のデモや集会をやったり、首長に働き掛けたり、署名運動をやったり、総力戦ですよ。

何気ない言葉であるが、策略家ならではの考えが表れている。得てして凡人なるものは、「これが勝負だ」「ここは必ず勝たなくてはならない」「ここで負けたらおしまいだ」と、一つのメルクマールに拘り過ぎる傾向が強い。そして、目の前のことに一度負けたらすべてを諦めてしまう。しかし、何度負けても諦めず、ただ同じことを繰り返すのではなく、その都度作戦を練り直して勝ちに行く戦略が必要なのである。

私自身も日常の生活や仕事の中で、一度思い込んだらそれが全てだと拡大的に考えてしまうことが度々ある。また、それを他人に押し付けるようなこともなきにしもあらずである。一度や二度の失敗や負けは勉強材料なのである。脱原発運動だけでなく、何事においても達磨大師の精神を大切にしたい。
インタビューの最後を河合氏は次の言葉で締めくくっている。いつかは私も口にしてみたい。

 ぼくはビジネス弁護士としてやることはやった。残りの人生は、脱原発と自然エネルギー普及にかけます。ぼくらの闘いは決して負けません。なぜなら、勝つまでやり続けるからです。

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