「アクション仮面を裏切らないゾ」

akusonkamen

下の子がぐずってうるさいので、ハードディスクに録画してあった『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日 2012年6月15日放映)を一緒に観た。
新聞を読みながらだったので話の中身を追っていなかったが、ふと画面に目をやると、居酒屋のカウンターで「おパンツってさあ、男のマロンを守っているんだよね」というしんちゃんの呟きに対して、居酒屋のオヤジが「マロン? それを言うなら、ロマンだろ」と切り返す場面があった。
いつも通りの言い間違いのやりとりだが、「草食系男子」「絶食系男子」といった言葉が溢れる現在の日本社会の状況を考えると、5歳児の言葉にしては妙に含蓄のある言葉であった。

そういえば、1年ほど前の「文化系トークラジオLife」で、「クレヨンしんちゃん」の家族モデルにまつわる話があった。1990年代前半の放映開始時、しんちゃんの野原一家は、日本のどこでも点在するごく平凡な家族という設定であった。しかし、20年経った現代日本で、野原一家は平均的な日本人にとって憧れの家族モデルとなっている。しんちゃんの父である野原ひろしは、30代にして郊外に一戸建ての持ち家があり、専業主婦と子ども二人を抱え、マイカーがあり、休日には家族で触れ合うという生活を送っている。放映開始時には当たり前だと思っていた生活が、現代では憧れの成功モデルになっているのである。僅か20年で、日本の平均的な家族像が、クレヨンしんちゃんの野原一家のレベルを大きく下回ってしまったことになる。
アニメと現代社会の比較だったので、耳に残る話であった。

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