『古代ローマ邸宅の壁画』

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ドナテッラ・マッツォーニ、ウンベルト・パッパラルド『古代ローマ邸宅の壁画』(岩波書店 2006)を観る。
前2世紀から後1世紀頃の、ローマ時代のヴェスヴィオ山周辺地域で見つかった邸宅に残されていた壁画の写真集である。
ローマというと、ギリシャ神話の世界や、色とりどりの花や動物の絵が多いのかと思いきや、柱や屋根、窓などの建築物の絵が多かった。
解説の中でも「壁画が描かれたイメージは、それが装飾している部屋と連続するものとして、読み取られるべきものだ」とあるように、平面的に部屋を飾るものではなく、絵画と室内空間が一体となった立体芸術となっている。

以下、岩波書店のホームページより

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現実の列柱の奥に描かれた円柱を伴うヘレニズム神域風景画(ポンペイ,ラビュリントスの家)

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ヘレニズム宮殿のファサードを模した見せかけの扉(ポンペイ,ガイウス・ユリウス・ポリュビウスの家)

p03
ギリシア神殿・神域を模した仮想空間(オプロンティス,ポッパエア荘)

p04
君主にふさわしい複雑で豊かな仮想空間(ボスコレアーレ,プブリウス・ファンニウス・シュニストル荘)

p05
権力の称揚のための,描かれたタブロー画「ヘラクレスの神格化」(エルコラーノ,アウグスタレスのコレギウム)

p06
楽園としての仮想庭園(ローマ,リウィアの別荘)

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