北野武『超思考』(幻冬舎 2011)を読む。
雑誌「パピルス」に2007年10月から2010年12月に連載されたコラムに加筆・訂正したものである。ちょうど民主党政権になった時期に重なっており、近年のマスコミや芸人、映画界のタブーを扱いながら、思考や品性を忘れた日本人を揶揄する内容となっている。マスコミの言説や世間の「常識」がいつの間にか刷り込まれ、金や安っぽい物に囲まれて安易な生き方を選択している人たちを嗤う。
本来「才能」や「個性」というのは、磨きに磨いてやっと手に入るか入らないかという類いの資質なのに、恰も誰しもが生まれつき持っているかのように、若者に媚びる時代を批判するくだりには溜飲が下がる思いがした。
『超思考』
コメントを残す