梅永雄二『LD(学習障害)の人の就労ハンドブック』(エンパワメント研究所 2002)を読む。
著者はLDを抱える人を巡る就労のあり方について、次のようにまとめる。
LDの人の多くは、障害手帳を持っていない人が多いため、雇用率や助成金、職場適応訓令制度といった制度には該当せず、障害者のための就労支援制度を適用するには限度があります。(中略)
障害を持つ人たちに対するサービスは、教育・医療・福祉などのさまざまな分野で実施されていますが、教育には教師、医療には医師という専門家がいるものの、就労にはこのような資格制度にのっとった専門家はいません。そのため、就労支援においてもジョブコーチのような専門家がいれば企業にかける負担をずいぶんと改善することができます。これからは、このようなジョブコーチという職種にたずさわる専門家の人数を増やし、そのためのシステムや制度を構築していく必要があります。