『人口危機のゆくえ』

芦野由利子・戸田清『人口危機のゆくえ』(岩波ジュニア新書 1996)を読む。
来月の人文地理学の試験に人口問題が出題されるので手に取ってみた。
一口に人口問題と言っても幅広く、主に開発途上国における貧困や都市問題と合わせて論じられる人口爆発から、宗教や文化的慣習からみる避妊や人工妊娠中絶の是非、また先進国における少子化対策における女性のからだと性の自己決定権など、極めて個人的な問題からグローバルな問題にまで広がる。
人口問題は、個人の性に関わる問題であるが、同時に、どのような社会や国家を希求するかという政治や経済の問題でもあると改めて認識を深めた。

先日、東京都議会で、塩村文夏都議が妊娠・出産期の女性への支援策を本会議で質問中に、「自分が早く結婚したほうがいいんじゃないか」「産めないのか」というヤジが飛んだことがニュースの話題になっている。明らかにヤジという範疇を越えて人権侵害発言なのだが、自民党の議員にその意識は薄い。

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