『マンガ 天皇制を知るための近現代史入門』

東京都歴史教育者協議会原作『マンガ 天皇制を知るための近現代史入門』(いそっぷ社 2003)を読む。
「日本史A」の学習指導要領のレポート作成のために手に取ってみた。
タイトルに「マンガ」とあるが、最初から最後まで歴史教師の父と娘の会話だけであり、ページの3分の2近くは吹き出しの歴史的説明で占められる。普段あまりマンガ読まないので、すんなりと読むことができたが、若い人の受けはあまり良くないであろう。
内容は、江戸末期の「尊王攘夷」から2000年代前半の新しいナショナリズムに至るまでの、天皇制と政治、戦争の関係が丁寧に説明されている。特に、天皇親政や元首化を目指す右派と、天皇制を権威だけを借用しようとするGHQや戦後の自民党主流派、天皇の大衆化を外交的・政治的に利用する新自由主義派の違いなど、なかなか一筋縄では理解できない保守政治の側の動きがよく理解できた。

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