「『こころの不良債権』いやす”情”の復活を」

東京新聞夕刊(2001.08.21)の文化欄の五木寛之インタビュー「『こころの不良債権』いやす”情”の復活を」を読んだ。
その中の一節が気になった。五木氏は最近若者の茶髪が気になるという。自らの黒髪を茶や金に染める若者の心情に「日本人であることの嫌悪感」を見てとるからだ。高級な車や化粧品のコマーシャルには外国人が出演しているのが大半で、バンド名もほとんど外国語で、歌詞も英語で、若い人は日本的なもの、日本語を嫌う傾向にある。そして五木氏はこのような嫌悪感が高じると、他国や他民族への過度な優越感へと逆転し、「過剰なナショナリズム」が生まれる可能性があると論じている。近年の五木氏の社会観・文学観はこの際置いといて、この指摘は興味深い。

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