月別アーカイブ: 2023年4月

『自転車でやせるワケ』

松本整『自転車でやせるワケ:体にやさしく、効率的に脂肪燃焼できる理由とは⁉️』(ソフトバンククリエイティブ 2008)を読み返す。
改めて自転車でゆったりと長距離走ることで脂肪が燃焼されることを理解できた。どうしても筋力を使って汗をかく方が筋肉がついて痩せると思いがちである。しかし、実証データによると、運動強度が弱く、運動時間が長い方が脂肪を燃焼する割合が高くなるのだ。最大酸素摂取量や心拍数などから、軽いジョギング程度で安定した心拍数を保てる運動強度を長く続けることが一番効果的だと分かる。著者は元競輪選手だったこともあり、アスリート向けのトレーニングなども紹介している。ごちゃごちゃと御託を述べる前に、週3回以上の有酸素運動を始めることが大切である。

「36ヵ国 重大な飢餓」

本日の東京新聞朝刊に、ウクライナ侵攻以降、重大な飢餓が拡大しているとの記事があった。一昨年までロシアは小麦や大麦、馬鈴薯、甜菜、ひまわりの種などの農作物の輸出大国であった。また、ウクライナは「欧州の穀倉地帯」と呼ばれ、肥沃な黒土のチェルノーゼムが広がっており、小麦や大麦、とうもろこしなどの穀物が世界中に輸出されていた。

しかし昨年以降ロシアやウクライナからの輸出が止まり、特に貧困国で飢餓が深刻となっている。国連世界食糧計画(WFP)では「飢餓とは、身長に対して妥当とされる最低限の体重を維持し、軽度の活動を行うのに必要なエネルギー(カロリー数)を摂取できていない状態」と定義している。

記事にはないが、栄養不足の人口割合が35%を超える国として、アジアでは北朝鮮、アフガニスタン、イエメン、イラク、アフリカではマダガスカル、ソマリア、ルワンダ、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、中央アフリカ、リベリア、中米のハイチなどが想定されている。

いずれも日本からは心理的に遠い国だが、対岸の火事では済まされない。記事にもある通り、世界で生産される食糧の3分の1が廃棄されているという実態に向き合わなくてはならない。農作物輸入大国の日本だからこそ、授業の中でフードロスはきちんと取り上げていきたい。

「ウィシュマさんが亡くなる直前の動画が公開」

東京新聞望月記者のTwitterより。
昨年度、一昨年度の授業で取り上げたスリランカ女性で入館施設で死亡したウィシュマさん

2021年3月6日にウィシュマさんが入管で死亡する直前の映像。無理せず見れる方には見てほしい

検察が裁判所に提出した5時間の映像の中には、ウィシュマさんが、出されたカフェオレを飲み込めず鼻から出してしまい、職員が「鼻から牛乳や」と笑ってる様子や、反応しないウィシュマさんに「薬決まってっか?」などと声をかけてる職員の動画はない

弁護団が公開した5分の映像には、飢餓状態のウィシュマさんが、身体の自由がきかず、スリランカ語で命乞いを意味する「アネー」を繰り返し「病院連れて行ってあげて」と懇願する様子が

命を救えるポイントは沢山あったのに、なぜ、入管は、ウィシュマさんを救うことができなかったのか

政府が提出する入管法改正案は、非人道的な対応を続けていた、入管職員たちの権限をさらに拡大させるものだ

収容の上限設定もなく、難民認定率が2%にも満たない状況で、3回目以降の難民申請を原則認めないという改悪だ

改正で、強制送還忌避罪のターゲットにされるのは300人超の子ども含め、3224人にのぼる(2021年)

国連人権委から何度も勧告を受けながら、入管収容に司法審査を入れたり、入管でない第三者の難民認定機関を作るなどの抜本的な改革に全く踏み込まず、改正によって、ひたすら入管職員の権限を拡大させようとしている

このような法案を通していいとは到底思えない

『花の鎖』

湊かなえ『花の鎖』(文春文庫 2013)を読む。
最初は同じ店を舞台に3つのドラマが同時に繰り広げられている群像劇だと思っていた。最後の方で空間的に話が繋がっていくのだろうと読み進めていった。しかし話がほとんど繋がらず、みえみえの伏線ばかりで頭の中で整理するのに苦労した。途中で3つの物語が空間的ではなく、時間的に繋がっている話だと気付いた時にハッとした。