月別アーカイブ: 2020年6月

「中印国境で小競合い続発」

本日の東京新聞朝刊に、インド北部のカシミール地方で中国軍とインド軍の兵士が衝突し、殴り合いや石の投げ合いで100人を超えるけが人が出たとの報道があった。

カシミール地方というと、中学校の地理の授業でも習うことだが、インドとパキスタンの間の領土問題でよく名前を聞くことが多い。ヒンズー教徒が多いインドが1947年にイギリスから独立する際、イスラム教徒が多い同地方がインド帰属に反旗を翻したことから、隣国のイスラム教国のパキスタンが支援に入り、印パ両国で70年以上も紛争が続いている。

そのカシミール地方であるが、隣接する中国との国境も未だ確定されていない。インドとパキスタンの両国はカシミール地方の領有を巡って核兵器の保有まで行っているので、今回のインドと中国の石の投げ合いも、現地の兵士のいざこざというだけで楽観視はできない。

また、中国は「一帯一路」構想のもと、インド洋への進出に注力しており、中央アジア〜南アジア〜インド洋といった幅広いスケールでテレビニュースを見ていくと、色々な発見ができると思う。

『爆笑問題の(笑)』

爆笑問題『爆笑問題の(笑):お笑い時事解説2007〜2008』(集英社 2008)を読む。
タイトル通り、2007年に起こったニュースを取り上げ、爆笑問題の漫才スタイルで解説を加えていく。福田総理や中国毒ギョウザ、高級ホテル戦争、朝青龍問題、ブログ炎上、特待生問題など、わずか12、3年前の話なのに、随分と懐かしく感じる。リーマンショックや東日本大震災、今年のコロナ禍などの日本を揺るがす問題が続出する以前の時期であり、なんとなく牧歌的な雰囲気すら感じてしまう。内容はあまり面白くなかったが、経済も順調だった2007年を改めて振り返ることができた。

「サムスン『世襲廃止』宣言」

本日の東京新聞夕刊に、韓国の財閥を代表するサムスン電子が世襲をやめると表明したとの記事が掲載されていた。
ちょっと今日は3年生の登校日で疲れが出たせいもあり、教科書の文言そのままの解説でご勘弁頂きたい。

韓国では1960年代から、経済の近代化に必要な外貨を獲得するために、輸出産業のための工業団地を造成し、安価な労働力を利用して輸出用の繊維や雑貨などの軽工業製品を生産するようになった。1973年からは重化学工業の発展をめざすようになり、製鉄・造船・石油化学・自動車などの大規模な工場が次々と建設された。重化学工業の成功をはじめとする高度経済成長の達成は漢江の奇跡とよばれ、この過程で財閥とよばれる企業グループへの経済力の集中が進んだ。(帝国書院『新詳地理B』)

上記を読んで頂ければ分かるが、財閥が朝鮮戦争後の韓国の経済成長の屋台骨を支えてきた。歴代の韓国政権も財閥と蜜月な関係を保ち、財閥と軍事政権が一体となって、韓国は現在の先進工業国の地位を占めるようになった。現在の文在寅政権は財閥との関係を見つめ直すことを掲げていることもあり、韓国の経済が大きく変貌するきっかけとなるのであろう。

『危ない大学・消える大学 2015年版』

島野清志『危ない大学・消える大学 2015年版』(エール出版 2014)を読む。
まだ、私学の定員厳格化が議論される前のもので、当時最高学府のかけ離れた底辺大学生が在籍する、いわゆる「Fランク大学」や学校法人の財政状況が逼迫している「Nランク大学」の実情が詳細に記されている。

但し、実際にその学校に訪れて大学の雰囲気や学生気質を調査したものではなく、大学のホームページや会社四季報、大学受験案内などを参照して書かれたもので、著者の教育にかける思いよりも、目を引くタイトルや題材で読者の関心を引こうとするネット記事のような体裁であった。