日別アーカイブ: 2019年7月22日

「ウイグル自治区巡り二分」

本日の東京新聞朝刊より。
中国というと,世界一人口の多い漢民族の国だとステレオタイプに捉えてしまいがちである。しかし,中国は国内に少数民族の自治区を多数抱えており,多民族国家という側面がある。但し,中国の沿岸部に居住する漢民族が人口の9割近くを占めており,共産党支配の政治や経済も漢民族が中心であり,チベットやウイグル自治区に対する弾圧や民族「浄化」に対する批判が繰り返されている。1学期の地理Aの授業でも少し触れたところである。

こうした中国政府を支持する国と批判する国に色分けし分析を加えたのが,今日の記事の内容である。「敵の敵は味方」という政治の根本原理が手に取るように分かる。中国を支持するのは,米国の敵であるベネズエラやボリビア,キューバ,また,インドの敵であるパキスタン,イスラエルの敵であるシリア,サウジ,エジプトなどが名を連ねる。また,治安の悪化が懸念されているアフリカのスーダンや,南スーダン,ソマリアといった国々が中国支持に回っているというのも恐ろしい話である。

地図をよく見ると,コンゴ民主共和国やミャンマー,ジンバブエ,ベラルーシのように,国内の少数民族や反政府組織に対する強圧政治を敷く国が中国政府に靡(なび)くという動きは,これからの国際政治を眺める一つの視座になるだろう。今後とも中国の政治経済に左右される世界情勢には注意を払う必要がある。

『藝人春秋』

水道橋博士『藝人春秋』(文藝春秋 2012)を読む。
浅草キッドの水道橋博士が出会った伝説の藝人とのやり取りが綴られる。そのまんま東,甲本ヒロト,石倉三郎,草野仁,古舘伊知郎,三又又三,堀江貴文,湯浅卓,苫米地英人,テリー伊藤,ポール牧,稲川淳二といった錚々たる面々の本性が暴かれる。

ここ数日,吉本興業所属の芸人が詐欺グループの忘年会で「闇営業」したとのニュースを巡る顛末が喧しい。この本で書かれている昔の芸人世界の話もなかなかのものである。