本日の東京新聞夕刊に,難民受け入れを積極的に進めてきたメルケル首相の与党CDUに所属する地方政治家が,反難民移民を掲げる極右組織で活動していた男に殺害されたとの記事が掲載されていた。他にも難民受け入れ関わる政治家への脅迫もあり,ドイツ国内で公人を標的とした刑事事件のうち約4割が右翼的な動機によるものだという。
難民・移民の問題は,シリア内戦が落ち着いた後も増加することは間違いない。肝心なことは,難民・移民の理由や出身国の如何ではなく,その国の政治や行政,司法,社会,教育における異文化理解の寛容さである。机上の異文化理解や試験・出世のための国際コミュニケーション力ではない。日常生活のなかで自分の価値判断にこだわったりおしつけたりせず,多様な考えや価値観と共存していくバランス感覚が大切である。
だからこそ,学校生活の中で自分の個性をしっかりと磨く努力と,他人の意見や考えをじっくり聞く(鵜呑みするのではない)ことができる我慢強さの両面を涵養していかなくてはならない。移民・難民問題を第一義的に捉えるべきは学校である。
話は変わりますが,期末考査でドイツの位置関係を尋ねる出題をしました。ドイツはヨーロッパの中心にあり,9つの国と国境を接します。9つすべて挙げることができますか。