月別アーカイブ: 2019年6月

『僕だけがいない街』

三部けい『僕だけがいない街』(カドカワコミックス・エース 2013)全8巻を読む。
映画「バック・トゥ・ザ・フィーチャー」や映画化もされた小説「時をかける少女」のようなタイムリープもののSF漫画である。時間を遡って殺人事件を追う青年(少年)が主人公の物語で,荒削りな画風が物語にテンポを与えている。全ての話の辻褄が8巻で一応完結し,番外編として第9巻が刊行されているのだが,まだ手に入れていない。話を忘れないうちに読んでおきたい。

「マンハッタン 海面上昇危機で沿岸埋め立て構想」

本日の東京新聞夕刊に,米ニューヨーク市のマンハッタン島が海面上昇により,日常的に水に浸かる可能性があり,延楽埋め立て構想が検討されているとの記事が掲載されていた。

ちょうど,本日の授業で環境難民としてモルディブやツバルが海面上昇により国土水没の危機に瀕しているとの内容があったばかりなので,新聞のタイトルが目に飛び込んできた。

今世紀末に海面上昇は2メートルを超えるとの可能性も指摘されており,日本も対岸の火事ならぬ”水事”ではない。日本は海面上昇だけでなく,現在でも津波や高潮の危険に晒されている。日本の最南端である沖ノ鳥島など2メートルも海面が上がってはひとたまりもないだろう。

「米,GAFA調査へ」

本日の東京新聞夕刊に,アメリカ政府と規制当局がそろってグーグル,アップル,フェイスブック,アマゾン・コムの4社を反トラスト法(独占禁止法)で対処を検討しているとの記事が掲載されていた。

反トラスト法とは,資本主義の根幹である自由競争そのものを阻害する独占資本の形成を規制するという法律である。昨年の授業でも扱いましたが,GAFAは多国籍企業で脱税の疑いもあり,米国だけの監視強化でなく,他国的な枠組みでの調査が求められる。

また,今回の反トラスト法であるが,日本では独占禁止法という法律で知られている。独占禁止法は内閣府の外局として置かれている公正取引委員会が運用するものである。
そもそも公正取引委員会が誕生したきっかけは,1945年10月にマッカーサーが幣原首相に口頭で伝えた五大改革の目玉である経済機構の改革が端緒となっている。三井や三菱,住友などの資本独占である財閥を解体する過程で設置されたものである。戦後の経済制度・労働改革はGHQ政策の要点となるので,日本史受験者は復習しておいてほしい。

安倍総理のポツダム宣言・東京裁判の認識

1945年7月に出されたポツダム宣言の第6項には次のように書かれています。

6.日本国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を永久に除去する。無責任な軍国主義が世界から駆逐されるまでは、平和と安全と正義の新秩序も現れ得ないからである。

動画の中で,細野議員も指摘しておりますが,東京裁判がポツダム宣言第6項に基づくという点は誰しもが理解できるところです。安倍総理自身もポツダム宣言を受諾し,東京裁判を経てサンフランシスコ講和条約に至った歴史的流れを踏まえているものの,東京裁判史観を肯定することに対する追及に対しては、言葉巧みに避けているように見えます。

一人の教員として,私自身は議論の是非について論評することはできません。しかし,東京裁判の評価についていまだに議論が続いており,皆さん一人ひとりが歴史認識を持つことが大事となります。