日別アーカイブ: 2014年11月21日

『読書進化論』

勝間和代『読書進化論:人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか』(小学館101新書 2008)を読む。
テレビや雑誌でも取り上げられることの多い経済評論家の勝間さんの本の選び方に始まり、読書技術、執筆のコツ、出版戦略が紹介される。
時折、著者自身を褒め称える書店員やファンのコメントが挿入され、ビジネスの成功者の自伝のような雰囲気の本である。
妙に内容が頭にスラスラ入ってくるなあと調べたら、一度読み終えていた本であった。
最後に、勝間さんが自分に影響を与えた著者20をリストアップしているのだが、その中で筒井康隆氏の『七瀬ふたたび』を挙げているのが目に留まった。自分と正反対のような人だと思っていたが、もしかしたらセンスが似ているのかもしれない。

『古代ローマ邸宅の壁画』

book

ドナテッラ・マッツォーニ、ウンベルト・パッパラルド『古代ローマ邸宅の壁画』(岩波書店 2006)を観る。
前2世紀から後1世紀頃の、ローマ時代のヴェスヴィオ山周辺地域で見つかった邸宅に残されていた壁画の写真集である。
ローマというと、ギリシャ神話の世界や、色とりどりの花や動物の絵が多いのかと思いきや、柱や屋根、窓などの建築物の絵が多かった。
解説の中でも「壁画が描かれたイメージは、それが装飾している部屋と連続するものとして、読み取られるべきものだ」とあるように、平面的に部屋を飾るものではなく、絵画と室内空間が一体となった立体芸術となっている。

以下、岩波書店のホームページより

p01_r1_c1
現実の列柱の奥に描かれた円柱を伴うヘレニズム神域風景画(ポンペイ,ラビュリントスの家)

p02
ヘレニズム宮殿のファサードを模した見せかけの扉(ポンペイ,ガイウス・ユリウス・ポリュビウスの家)

p03
ギリシア神殿・神域を模した仮想空間(オプロンティス,ポッパエア荘)

p04
君主にふさわしい複雑で豊かな仮想空間(ボスコレアーレ,プブリウス・ファンニウス・シュニストル荘)

p05
権力の称揚のための,描かれたタブロー画「ヘラクレスの神格化」(エルコラーノ,アウグスタレスのコレギウム)

p06
楽園としての仮想庭園(ローマ,リウィアの別荘)