月別アーカイブ: 2013年1月

『墨攻』

中島敦記念賞受賞作、酒見賢一『墨攻』(新潮文庫 1994)を読む。
諸子百家の一つで「兼愛」「非攻」を唱えた墨家を題材とした歴史小説である。墨家は文献もあまり残っていないので、漢文でもあまり取り上げられることのない思想家である。私は勝手に、「兼愛・非攻」という言葉のイメージからジョン・レノンのような人間愛的な教えを唱える集団だと捉えていた。しかし、作者酒見氏は、徹底した規律と技術によって城を守る専守防衛の戦闘集団と考え、とある小さな城の攻防を描き出している。読みやすい文体と分量の小説であったが、場面場面が印象に残る作品であった。

『少年メリケンサック』

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かなり前に地上波で放映された、宮藤官九郎脚本監督、宮崎あおい主演『少年メリケンサック』(2009 東映)を観た。
ついつい観る機会がないまま、ハードディスクにずっと残ったままの映画であった。最初の5分を観た限りでは決して面白そうな映画ではないのだが、最後はこのままもう少し続きを観てみたいと思わせる力のある映画であった。しかし、さすが宮藤監督、見事なまでに観客の思惑を捉え、ライブの途中で強制的に「END」ロールを始めてしまう。
脚本監督を担当した宮藤官九郎氏の異才ぶりをじっくりと堪能することができた。他の作品もこちらの体力があれば観てみたいものである。

『交渉人』

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地上波で放映された、サミュエル・L・ジャクソン主演『交渉人』(1998 米)を観た。人質救出の現場などで犯人との交渉を担当する警察が活躍する物語である。ひょんなことから交渉人自身が人質犯となり、他部署の交渉人とのやりとりで話は展開して行く。しかし、カットも30分以上あったためか、粗筋だけが繋がっている感じで、あまり楽しむことができなかった。

『人生で手帳は変わる』

フランクリン・コヴィー・ジャパン特別編集『人生で手帳は変わる:1週間で身につく手帳実践マニュアル』(アクタス・ソリューション 2007)を読む。
経営コンサルタントを手がける同社が販売するシステム手帳や『7つの習慣』という一連のセミナー事業の入門書といった趣の本である。

内容を有り体に言っちゃえば、30代〜40前半の男にとって、仕事一辺倒の人生ではつまらない。しかし、家族や趣味、ボランティアといったものは目標がないのでなかなか達成感を得られない。ビジネスマンたるもの、仕事や家族、趣味、地域活動などバランスよい人間に成長していかねばならない。そのためには、全ての領域において、「自身の価値観」「人生目標」「月・週・日単位の短期目標設定」などを分析・設定し、「Plan-Do-See」サイクルで実践しよう。そのために同社のシステム手帳を活用しようというものである。ジャンジャン。

まさに中堅層をターゲットとした社員研修のような内容である。気軽読みたかったのだが、よそ見していたら注意されてしまいそうな感じの本で、あまり内容は頭に入ってこなかった。

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