本日のテレビ朝日の『報道発 ドキュメンタリ宣言:♯70「知られざる〝日本の原風景〟サンカ…」』は、十数年前に埼玉で生存が確認された「サンカ」についての十年を超える追跡取材であった。古来「サンカ」と称された漂流の民について、担当のディレクターが誠意と熱意を持って追いかけている姿が印象的であった。
高校時代に五木寛之氏の『風の王国』を読んだときに感じた、日本史に対する常識がひっくり返るような興奮を思い出した。番組中にアナウンサーも指摘していたのだが、平成の太平の世に対して、昭和のままでいる人たちが時代の底部から警句を発している気がした。
月別アーカイブ: 2010年10月
『蒼き狼 地果て海尽きるまで』
先日テレビで放映された、澤井信一郎監督、反町隆史主演『蒼き狼 地果て海尽きるまで』(2007 松竹)を観た。30億円を投じたにも関わらず、興行収入は13億円しか届かなかった評価の低い作品である。
モンゴルの風景は確かに澄み渡っていて壮大な舞台の様子は伝わってきた。しかし、主人公を含め主要な登場人物の全てを日本人が演じ、全ての会話は日本語で 行われる。また海外ロケで練習をする暇がなかったのか、セリフも棒読みで、いまいち感情があふれ出ない演技が続く。自身の歴史知識をくすぐることもなく、 教養映画としても失敗している。
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=i9MAuoAhDMU[/youtube]
パンフレット研究:酪農学園大学
1933年創立の北海道酪農義塾を起源とし、50年創設の短大を経て、60年に4年制大学として発足している。JR札幌駅から快速で約12分と便利な場所にある。学生の半分は北海道内から、残り半分は全国から学生が集まっている。
酪農学科、農業経済学科、食品科学科、食品流通学科からなる酪農学部、獣医学部、環境マネジメント学科、地域環境学科、生命環境学科からなる環境システム学部と短期大学部で構成される。しかし、食品科学科と獣医学部以外はほぼ全入状態であり、2011年に向けて学群の設定や獣医保健看護の学科増設、女子寮 の新設など、喧しい改革が進む。また数学や英語など高校で取りこぼした分野の補習授業も手厚く実施されている。
安定した就職状況のためか、充実した施設・設備のためか、サークル活動が盛んで、体育系は48、文化系は30のクラブ・サークルが活動をしている。
北海道の農業教員の約70パーセントを輩出しており、農業の教員免許取得に特化した教職コースの設置も予定されている。
パンフレット研究:京都精華大学
入学試験問題集と人文学部の卒業論文・卒業制作の冊子を読む。残念ながらパンフレットは手に入らなかったが、芸術学部、デザイン学部、マンガ学部、人文学部からなる京都精華大学の雰囲気は伝わってきた。
関西圏には美大が少ないのであろうか、芸術学部の版画コースの一般入試倍率は53.0倍、デザイン学部イラストレーションコースで20倍、マンガ学部カー トゥーンコースで19倍となっている。他の学科、コースも平均で6倍に達する。一方で現代文化表現コース、国際コミュニケーションコース、日本・アジア文 化コース、環境未来コース、現代社会と人間コースの5つのコースからなる人文学部は1倍ちょっとと苦戦を強いられている。内容は女子大や短大のような広く 浅く教養を身につけることを目的としており、和光大学のような感じの大学なのであろうか。
『252 生存者あり』
テレビで放映された、伊藤英明主演『252 生存者あり』(2008 ワーナーブラザーズ映画)を観た。
本編は128分の映画なのに、100分ほどにカットされていたこともあるが、いわゆるパニック映画の限界を感じざるを得なかった。迫力ある場面やほろりとくる人間ドラマを挟むためにどうしても展開に無理が生じ、ツッコミどころが生まれてしまう。小説であったら「想像力」で場面と場面を埋めることができるのだが、良くも悪くも「想像力」の介在を許さない映画というメディアでは、どうしても現実社会を舞台にした大作は、