月別アーカイブ: 2010年10月

パンフレット研究:立命館大学

立命館大学のパンフレットを読む。
文系から理系まで、医学農学以外のほぼすべての学部学科が揃っているため、パンフレットの厚さは入試ガイドを含め1センチを優に超える。
学部を羅列するだけでの一苦労だが、恒例となっているので書き留めておきたい。京都駅からバスで30分の衣笠キャンパスに、法学、産業社会学、国際関係学、政策科学、文学、映像学、国際インスティチュートの7学部、びわこ・くさつキャンパスには、経済学、経営学、スポーツ健康科学、理工学、情報理工学、生命科学、薬学の7学部が設置されている。2011年度の募集人数は7031人である。さらに2000年には大分県の別府に「97ヶ国・地域から学生が集う多文化・多言語の環境」を有する立命館アジア太平洋大学を開学している。
歴史のある学校で、西園寺公望が1869年に開いた私塾「立命館」を母体とする。自由主義思想を学び、伊藤博文の後を受け立憲政友会の総裁となった西園寺の考えが浸透していたのであろうか、1933年には、京大事件(滝川事件)で京大を辞職した18名の教員を任用している。1994年にびわこ・くさつキャンパスを開設してから後は、毎年改革を進められ、どんどん新しい学部や学科が増設されている。
量の力とでも言うのだろうか、就職講座や資格講座、海外留学、強化クラブなど他大にあるものはすべて揃っており、その充実度や結果は軒並み全国上位のレベルである。新司法試験最終合格者は60名で全国10位、国家公務員Ⅰ種は22名で全国15位、教員採用試験も276名を数える。また琵琶湖草津キャンパスに、理工系の学部が4つ集まっており、「産学連携で企業の評価の高い研究機関」のアンケートで第1位となっている。
あまりに揃いすぎていて、大学全体として「こんな大学」とひとまとまりに評価を下せない。キャンパスも大きく二分されており、「立命館大学の学生」という範疇での一体感は感じにくいであろう。

本日の東京新聞朝刊より

本日の東京新聞朝刊に、北海道の斜里町の小学校脇の車道に出没したヒグマの写真が掲載されていた。ちょうど先日観た映画『ナイトミュージアム』の一シーンとそっくりだったので、目を見張ってしまった。
今年は異常気象のためか、サルやクマの市街地の出没が相次いでいる。これまでは自然破壊のために餌が不足し、森の動物が下りてきていたのだが、ラジオの ニュースによると今年はどうも様子が違うらしい。異常気象によるものか、人間をからかうためなのか、よく分からないそうだ。
それにしても、今年の猛暑はすでに過去のものになったのであろうか。猛暑が残した傷跡はないのだろうか。数年後、動物や植物の生態系の微妙なバランスの変化が生じないとも限らない。

パンフレット研究:文星芸術大学

1911年創設の宇都宮実用英語簿記学校が母体である。戦後、宇都宮学園高校、宇都宮女子商業高校が創立されている。しかし、高校経営に行き詰まりを感じたのか、1989年に宇都宮文星短期大学が開設されて後は、高校も大学付属として整備され、1999年に4年制大学が開学している。JR宇都宮駅から直通 バスで20分と大学としては不便な場所にある。

日本画、油絵、彫刻の各専攻からなる造形芸術領域、デザイン、デジタル映像、マンガ、アニメーション、染織、陶芸の各専攻からなる機能芸術領域と、芸術理論専攻の10専攻で構成される。全学生500名強のこじんまりとした大学で、1年次は全学生が共通で絵画、工芸、デザイン、彫刻を学ぶシステムで、スケー ルメリットを生かしたカリキュラムとなっている。

デザインとマンガは4学年で100名を越えるが、他専攻は一学年数名~十数名の徹底した少人数教育体制を敷いている。果たしてこの教育環境を宇都宮の外れの僻地で維持できるのであろうか。先日の新聞報道では、大学の規模が小さければ小さいほど赤字体質になりやすく、都市圏よりも地方の方が経営は苦しいとのことである。この大学も付属高校の経営収入を回してやっと維持できる規模であることは間違いない。アンバランスな体制を維持できる懐の深い法人が安泰ならば、魅力的な大学である。

『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』

先日テレビで放映された、スティーブン・スピルバーグ監督、ハリソン・フォード主演『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008 米)を観た。
高校時代にわざわざ映画館まで観に行った、考古学者ジョーンズ博士が冒険する歴史ロマンへの憧れがガラガラと崩れていった気がした。確かに、ハリソン フォードは若く見えるし、過去の作品を思い出させる設定やセリフが満載であるが、宇宙人やUFOはないだろう。「YAHOO映画」というサイトの「ユー ザーレビュー」の中でも、「同窓会を映画の中でやっちゃったね」とのコメントがあったが、激しく同意である。