なだいなだ『人間、とりあえず主義』(筑摩書房 2002)を読む。
精神科医と作家という二足の草鞋を履く作者の、雑誌「ちくま」に寄せられたエッセイがまとめられている。タイトルにある「とりあえず」主義とは、困難な問題や不測の事態に際して、あれこれと思い悩まず、そして、無理にベストを尽くそうとせず、とりあえず次善の策を施し、気持ちや判断、行動にあそび(余裕) を持たせながら生きるという人生訓である。
作者は、「とりあえず」主義の立場に依拠して、横車をごり押ししようとする政治や人道を無視して突っ走ってしまうマスコミや社会のあり方に疑問を発している。
『人間、とりあえず主義』
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