月別アーカイブ: 2010年3月

『「戦争漫画」傑作選』

手塚治虫『「戦争漫画」傑作選』(祥伝社新書 2007)を読む。
作者の手塚氏は戦争そのものに否定的で、戦争に打ち勝つには、決して武器をとることではなく、自分のやりたいことや目標を持ち続けることだと訴える。
漫画評論家の中野晴行氏は解説の中で次のように述べる。

正しい戦争など存在しない、というのは手塚が何度も繰り返したメッセージだ。
(中略)戦争の最大の犠牲者は何も知らない子どもたちである。少なくとも彼らが、親を失い、家を焼かれてもなお、戦争が正しいと思うことはないだろう。
(中略)手塚は、こんなバカげた戦争を引き起こす原因は多くの場合、人間の利己主義だ、と洞察していた。つまり、自分だけ、自分たちの民族だけ、自分たち の宗派だけは助かる、という根拠のない思い込みが戦争を正当化するのだ。人類が滅びても、神が自分たちだけを救う、とか、自分たちだけは死後の世界の幸福 になれる、という理由だけで聖戦を遂行されたのではたまったものでない。

『シャーロック・ホームズ』

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子どもをお風呂に入れてからララ・ガーデンへ、ロバート・ダウニーJr、ジュード・ロウ主演『シャーロック・ホームズ』(2009 英)を観に行った。
原作者コナン・ドイルが描いた作品世界とは大きく雰囲気を異にし、頭脳明晰なホームズと忠信なワトソンという原作の役柄や物語の設定だけを借りた別物の映画である。しかし、話の展開もテンポ良く、最後まで楽しむことができた。

『最新絶対失敗しない一戸建て住宅の選び方買い方』

山下和之『最新絶対失敗しない一戸建て住宅の選び方買い方』(日本実業出版社 2005)を読む。
一戸建ての魅力や可能性よりも、ローン金利やら税金、価格動向など話の半分以上がお金に関するものであり、あまり読んでいて面白くなかった。

『食堂かたつむり』

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子どもをお風呂に入れてララガーデンへいそいそと出かけた。小川糸原作・柴咲コウ主演『食堂かたつむり』(2010 東宝)を観た。
箱庭的な世界観を舞台にして、食事や披露宴パーティ、母と娘の葛藤などが丁寧に描かれる。女性の女性による女性のための映画という感じの内容である。声を出せないという役柄の柴咲コウさんの「目は口ほどにものを言う」3演技が光る。