本日の東京新聞夕刊に、ダミー団体による政治資金規正法違反事件を引き起こした西松建設(東京)が、戦時中に強制連行され、過酷な労働を強いられたとする中国人の元労働者らの訴訟に対して、2億5千万円を信託し、被害救済のための基金を設立することなどを条件に元労働者と和解するとの記事が掲載されていた。
2007年に最高裁は「日中共同声明で中国人個人の賠償請求権は放棄された」と請求を棄却する判決を出しており、戦後補償裁判で、企業が自らの判断で金銭補償に応じるというのは異例であるとのこと。同社によると「会社の今までの問題を見直す取り組みの一環」であるそうだが、私は極めて正しい判断だと思う。会社の方向性の理念を見直す、その第一歩として、国が放棄した戦後補償に遡るというのは、一企業として大変勇気のある英断である。政権交代に絡む政治的背景があるのかもしれないが、これからの西松建設に注目していきたいと思う。